かゆみは我慢させない!皮膚トラブルの見抜き方
2025.11.26 BLOG
「最近、ワンちゃんがしきりに耳を掻いている」「前足を舐めている時間が長くなった気がする」──
そんな行動を見かけたことはありませんか?
ついつい「癖かな?」「退屈してるのかも」と流してしまいがちですが、それはワンちゃんからの小さなSOSかもしれません。
ワンちゃんの皮膚は、人よりずっと薄くてデリケートです。
かゆみの原因として多いのは、以下のようなもの:
- アレルギー反応:食物・花粉・ハウスダストなどへの免疫過剰反応
- 寄生虫の影響:ノミ・ダニ・皮膚糸状菌などの感染による炎症
- 乾燥や洗いすぎ:皮膚バリアが破壊され、外部刺激を防げなくなる
皮膚バリアとは、角質層と皮脂膜が作る「天然のバリア」。
このバリアが弱くなると、外敵(アレルゲンや微生物)に対する抵抗力が低下し、炎症やかゆみが起こります。
免疫反応が過剰になることで、皮膚が赤くなったり、かさぶたができたり、脱毛につながることもあります。
では、飼い主さまとして家庭でどんな観察ができるのでしょうか?
以下のポイントを日常的にチェックしてみましょう:
✅ 耳や足先を頻繁に掻く・舐める:
左右対称の場合はアレルギーの可能性も
✅ 皮膚の赤み・かさつき・フケの増加:
乾燥や皮脂バランスの乱れ
✅ 季節性の変化:
春や秋に悪化しやすい場合は環境アレルゲンの影響も
✅ 便や涙やけの変化:
内臓やホルモンバランスの影響が皮膚に現れることも
✅ 性格の変化:
かゆみによるストレスで不安定になったり、甘えが強くなったり
こうした「ちょっとした違和感」に気づけるのは、日々寄り添っている飼い主さまだからこそです。
「どうしてもっと早く気づいてあげられなかったんだろう」
そう感じてしまう瞬間があるかもしれません。
でも、完璧である必要はありません。
かゆみや不快感に「気づこうとする気持ち」こそが、ワンちゃんにとっていちばんの安心です。
かゆみは、“心地よさを取り戻したい”という本能的な行動の表れ。
決して“悪い癖”ではなく、「ちょっと変だよ」と私たちに伝えてくれている体のサインです。
皮膚トラブルは、早期発見が何よりのケアになります。
気になる行動が見られたら、まずは観察を記録して、必要に応じて獣医師に相談してみてください。
大切なのは、「かかないようにやめさせる」のではなく、「なぜかいているのか」に耳を傾けること。
小さなケアが、いちばん大きな安心につながります。
