“デンタルケア”は、最も身近な“予防医療”
2025.11.23 BLOG
「まだ痛がってないから、歯みがきはしなくてもいいかな…」 そう思ったことはありませんか?
実は、オーラルケアは“最も身近で効果的な予防医療”です。
今回は、歯みがきや口腔ケアがワンちゃんの全身の健康をどれほど支えているかを、科学と日常から紐解いていきます。
動物病院に通う費用、急な治療、歯周病の手術や全身麻酔… 病気が進んでからの医療は、身体にもお財布にも負担が大きいですよね。
実際、歯周病が進行してしまったワンちゃんの治療には、
・全身麻酔下でのスケーリング
・歯の抜歯
・歯肉の炎症ケア
などで、数万円〜十数万円の費用がかかることもあります。
でも、そもそも“そこまで行く前”に、できることがあるんです。
それが、日々のデンタルケア。
口の中のトラブルが恐ろしいのは、「歯だけの問題」ではないからです。
歯周病は、歯と歯茎の間に入り込んだ細菌が炎症を引き起こし、 やがて血管を通じて全身に影響を及ぼします。
これは人間と同じく、犬にも起こる現象で、
– 心臓病(細菌性心内膜炎)
– 腎臓病(糸球体炎)
– 肝機能障害
などと関連があることが近年の獣医療でも分かってきています。
つまり、歯ぐきの小さな炎症が、体中に“炎症の火種”を広げてしまう可能性があるのです。
ここで注目したいのが「予防の経済効果」です。
例えば──
✅ 毎日1分の歯みがきやコットン磨き
✅ 月1〜2回のデンタルチェック
✅ デンタルガムや口腔ケア製品の活用
こうした積み重ねによって、歯周病の進行が遅れ、 結果的に“通院回数”や“治療コスト”を大幅に抑えられる可能性があります。
人間医療でも、予防1円:治療3円という言葉があります。
犬の口腔ケアも同じく、「今の1分」が「未来の数万円」を守ることに直結するのです。
また、日々のオーラルケアは、飼い主さまとワンちゃんの “信頼関係”を深める貴重なコミュニケーションでもあります。
歯みがきに慣れていく過程で、
「口を触ること」→「ツールに慣れる」→「一緒に取り組む」
というステップを踏みます。
これは、ワンちゃんにとって「守られている感覚」になり、 精神的な安心にもつながっていきます。
デンタルケアとは、 ただの健康習慣ではなく、「未来を守る愛情の時間」なんですね。
歯のケアは、特別な知識や高価な道具がなくても始められます。
最初はガーゼやコットンで口元を拭くだけでもOK。
徐々に慣れてきたら、歯ブラシやケア製品を取り入れていきましょう。
焦らず、でも確実に。 今日からできる小さなステップが、ワンちゃんの一生の健康を支えていきます。
今日も一緒に、健康を見守っていきましょう。
