“歯のトラブル”は“心のトラブル”を招く?
2025.11.22 BLOG
「最近、なんだか元気がない」「ごはんを残すようになった」「あまり噛まなくなった気がする…」
そんなワンちゃんのちょっとした変化に、心当たりはありませんか?
もしかしたらそれ、口の中に違和感や痛みがあるサインかもしれません。
そしてその小さな不調が、心の元気にも影響している可能性があるのです。
ワンちゃんも人と同じで、「慢性的な痛み」や「違和感」が続くとストレスがたまり、気分が沈みがちになります。
とくに口腔内のトラブルは「話せない」「見えづらい」場所だからこそ、見逃されがち。
でも実は、噛むことの不快感や痛みが「ストレスホルモン(コルチゾール)」の分泌を増やし、免疫バランスや行動面にまで影響を与えることが分かっています。
近年の「心理神経免疫学(PNI)」の研究でも、歯周病のような慢性炎症が、心の安定や免疫機能に悪影響を及ぼすことが示されています。
だからこそ、「なんだかいつもと違うな」と感じたら、まずは“口の中”に注目してみてください。
以下のような兆候がある場合は要注意です:
✅ ごはんの食べ方が変わった(片側だけで噛む/食べ残す)
✅ おもちゃで遊ばなくなった(噛む遊びを避ける)
✅ 口元を触られるのを嫌がるようになった
✅ よだれが増えた、口臭が強くなった
✅ 性格が少し変わったように感じる(元気がない/攻撃的になった)
こうした変化は、「行動観察学」的にも痛みや不快感の表現の一つとされています。
とはいえ、「どうすれば早く気づいてあげられるの?」という疑問も出てきますよね。
そこで大切なのは、「日常の口腔ケア習慣」と「ふれあいの時間」を増やすことです。
歯みがきやコットン磨きのときに、歯ぐきの赤み・出血・歯石の状態などを観察。
触った時に痛がらないか、違和感を示さないかなどをチェックする習慣をつけておくことで、早期発見につながります。
また、動物病院の歯科健診も定期的に取り入れることで、見えない異常を早期にキャッチできます。
「気づいてあげられなかった」「もっと早く見ていれば…」
そんなふうに自分を責めてしまう飼い主さまも少なくありません。
でも大切なのは、“これからできること”に目を向けること。
ワンちゃんたちは、私たちが向ける「気づきの優しさ」をちゃんと感じ取ってくれます。
不調に気づき、ケアしようとするその姿勢が、何よりも信頼につながっていくのです。
歯のトラブルは、単なる口の中の問題ではありません。
それは時に、心の不調のサインとなり、行動や感情に影響を及ぼす“全身の問題”となります。
だからこそ、日々のケアの中で「心と体、両方を守る」意識がとても大切です。
ワンちゃんの「変化」に気づける飼い主さまは、心のケアもできる“最高のパートナー”。
今日も一緒に、健康を見守っていきましょう。
