“気持ちを読む”しつけ方の科学
2025.11.05 BLOG
「うちの子、いま怒ってる?それとも遊びたいだけ?」
ワンちゃんと暮らしていると、ふとした表情や行動に「気持ちが読めない…」と感じることってありますよね。
でも実は、ワンちゃんはたくさんの“サイン”を日常的に送ってくれています。 それを少しだけ“読み取るコツ”を知るだけで、ぐっと気持ちのすれ違いが減るのです。
■ ワンちゃんの気持ちも「脳」で動いている
人間のように言葉を使わないワンちゃんですが、感情をつくり出す“脳のしくみ”は私たちとよく似ています。
感情神経科学の分野では、
- 怖いときには“扁桃体”が反応し
- 楽しいときには“報酬系(ドーパミン系)”が活性化し
- 飼い主さんと触れ合うときには“オキシトシン”が分泌される
ということがわかっています。
つまり、「うれしい」「こわい」「たのしい」といった気持ちの起伏を、ワンちゃんも確かに感じているのです。
★ちょこっと解説★
扁桃体とは
「怖い」「不安」といった感情を作り出す脳の部分で、脳内のアーモンドのような形をした小さな構造です。危険や恐怖を感じるときに速やかに反応し、体を守るための“警報装置”の役割を担っています。
例えば、犬が突然大きな音を聞いてびっくりしたり、知らない人に警戒する時など、扁桃体が活発に働いています。
報酬系(ドーパミン系)とは
楽しいことや嬉しいことを感じるときに働く脳の神経ネットワークです。
おやつをもらったり、褒められたりして犬が喜ぶとき、この回路が活性化し「気持ちいい!」「またやりたい!」という気持ちを強めます。ドーパミンという神経伝達物質が分泌され、しつけでは“ご褒美”による学習や行動強化の基礎になっています。
オキシトシンとは
「幸せホルモン」とも呼ばれる脳の物質で、飼い主さんとの触れ合いやスキンシップの際にたくさん分泌されます。ふれあいや声かけ、やさしい接し方によって、犬も人も安心したり、絆が強くなったりします。オキシトシンはストレスを和らげ、信頼関係を深める働きがあり、しつけやコミュニケーションに“心の支え”として大切です。
■ 読み取る力は「観察+共感」
では、どうすればワンちゃんの気持ちをもっと理解できるようになるのでしょうか?
ポイントは【ボディランゲージ】の読み取りです。
例えば──
- 耳が後ろに倒れる → 不安や警戒のサイン
- しっぽを速く振る → 興奮・喜び・でも時に混乱も含む
- 前脚を広げて腰を下げる → 「遊ぼうよ!」の合図(プレイバウ)
- 目をそらす・あくびをする → ストレス緩和のサイン(カーミングシグナル)
これらのサインは、【社会的認知】の研究でも“非言語コミュニケーション”の一部とされています。
そしてなにより大切なのは、
- 「怒ってるのかな?」
- 「ちょっと怖かったのかも」
- 「構ってほしいのかな」
と、“一方的に決めつける”のではなく、気持ちを想像しようとする姿勢=共感力です。
■ 伝え合うことは「信頼を育てること」
ワンちゃんの気持ちを理解しようとする過程には、 飼い主さんとワンちゃんの間に【オキシトシン】という「絆ホルモン」も深く関わってきます。
研究によると、 – 飼い主とワンちゃんが目を合わせたり – やさしく触れ合ったりすることで、
双方の体内でオキシトシンが分泌され、 「この人と一緒にいると安心できる」という感覚が強くなるそうです。
つまり、“気持ちを伝え合うこと”そのものが、 しつけを超えた「信頼関係づくり」の第一歩になるのです。
■ 正しさより「わかろうとする気持ち」
「うまく伝えられなかったな…」 「気づいてあげられなかったかも…」
そんな時も、どうかご自身を責めないでくださいね。
大切なのは、「完璧に気持ちを読む」ことではなく、
- 「どうしてそうしたのかな?」
- 「どんな気持ちだったのかな?」
と、“わかろうとする気持ち”をもって接すること。
それだけで、ワンちゃんの心にはしっかり届いているのです。
■ 一緒に、もっと“伝え合える関係”へ
ワンちゃんとの暮らしは、言葉を超えた対話の連続です。
私たちワンルーク江東区亀戸店では、 「伝わらない」を「伝え合える」に変えるサポートを、 日々のケアやカウンセリングを通じて行っています。
ボディランゲージや感情のサインを知ることは、 しつけのテクニックというより、“心と心の橋をかける”こと。 ぜひ、私たちと一緒に学んでいきましょう🐾
