“褒めるしつけ”がうまくいかない理由
2025.10.31 BLOG
「いい子ね!」と毎日ほめてるのに、なんだか伝わってない気がする…そんな経験、ありませんか? 実は、褒めるだけでは行動は育ちにくく、「いつ・どの行動を・どう褒めるか」がとても大切なんです。
■ なぜ“褒めるだけ”では伝わらないのか?
ワンちゃんの行動は「結果によって強化される」──これが行動分析学(オペラント条件づけ)の基本です。
つまり、ワンちゃんは“今の行動”のあとに「うれしいこと(正の強化)」が起きると、「またやろう」と学習していきます。
しかし、ここで重要なのが タイミング と 一貫性 です。
- タイミングがズレると「何を褒められたか」が伝わりません
- 家族で対応がバラバラだと混乱が生まれます
この2つのズレが、褒めるしつけをうまくいかなくする最大の原因なんです。
■ タイミング:脳の“ごほうびスイッチ”は1秒以内
ワンちゃんの脳は「行動から約0.5〜1秒以内」に起きたことを“ごほうび”と結びつけやすい構造になっています。これを 即時強化 と呼びます。
おすわりができた“その瞬間”に、「そう!いい子!」と笑顔で伝えることで、 ワンちゃんの脳内には「やった!これが正解なんだ!」という報酬スイッチが入るのです。
このメカニズムは、教育心理学自己効力感理論(Albert Bandura)でも解説されており、 「成功体験」が学習意欲を高めるとされています。
■ 一貫性:家庭のルールは“ひとつ”にまとめよう
「ママはダメって言うけど、パパはいいって言う…」
──これではワンちゃんは混乱し、学習が定着しません。
行動の学習には、「いつも同じルールで接する」ことが不可欠です。 これを強化スケジュールの一貫性と呼び、行動変容を支える“土台”になります。
家族でルールを共有することで、犬にとっても「わかりやすく、安心できる環境」が整うのです。
■ 焦らず進もう。“できた!”を積み上げていくしつけへ
しつけは、愛犬と「成功体験を共有する」過程です。
「できた!」をひとつずつ積み上げていくことで、 ワンちゃんも飼い主さまも“自信”と“信頼”を育んでいけます。
心理学の中でも、成長マインドセット(Carol Dweck)という理論があります。
これは「できないことも、繰り返せば伸びていく」と信じる姿勢が 学びと成長のモチベーションを支えるというもの。
ワンちゃんとのしつけにも、まさにこの考え方がぴったりなんです。
■ 一緒に、学んでいきましょう
「褒める=甘やかす」ではありません。
それは“行動を伝える優しい対話”です。
焦らずに、ワンちゃんの「わかった!」の瞬間を見逃さず、 ひとつひとつの成長を喜び合いながら歩んでいきましょう。
私たちワンルーク江東区亀戸店も、 飼い主さまとワンちゃんのペースに寄り添いながら、 信頼関係づくりのお手伝いをしています。
ぜひ、これからも一緒に学んでいきましょう🐾

