“体重管理”がなぜそんなに大切なのか?
2025.11.13 BLOG
「うちの子、ちょっとぽっちゃりしてるけど、可愛いから大丈夫」──そう思っていませんか?
実はその“ちょっとのぽっちゃり”が、将来の健康を左右するサインかもしれません。今回はワンちゃんの体重管理について、やさしく、科学的にお伝えしていきます。
「ぽっちゃり=愛されている証拠」というイメージは根強くありますよね。ふくよかなフォルムに癒される気持ち、よくわかります。
でも、犬にとって“余分な体重”は、見た目の話ではなく“病気のリスク”そのものなんです。
肥満によって起こりやすくなる主な健康リスクは、
- 関節炎(特に膝・腰)
- 糖尿病
- 心臓病
- 呼吸困難
- 免疫力の低下
など多岐にわたります。
そして、こうした不調はある日突然ではなく、じわじわと進行していきます。日々の体重変化は、ワンちゃんの“今の健康状態”を映す鏡でもあるんです。
ワンちゃんの体内では、体重が増えることで代謝のバランスが崩れ始めます。
脂肪組織から分泌される「レプチン」や「アディポネクチン」というホルモンは、食欲や代謝の調整に関わっていますが、脂肪が増えすぎると、こうした調整がうまく働かなくなるんです。
また、体内のインスリン(血糖をコントロールするホルモン)にも影響が出て、糖尿病リスクが高まります。
体は「余分な体重=敵」と判断して、軽い炎症反応を起こしやすくなるという研究結果もあります。
つまり、体重が増えれば増えるほど、ワンちゃんの体の中では“戦い”が始まっているのです。
でも、体重管理は「我慢」ではなく、「観察と工夫」の積み重ねで十分可能です。
飼い主さまが今日からできる体重ケアのポイントをいくつかご紹介します。
✅ 月に1〜2回、体重を記録(同じ時間・条件で計ると正確)
✅ 理想体型を「見た目」と「触った感覚」で覚える(肋骨がうっすら触れるのがベスト)
✅ おやつは“ご褒美”ではなく“トレーニングツール”に
✅ 食事量はパッケージの目安ではなく「その子の生活スタイル」で調整
✅ 家族全員でルールを統一(ついつい誰かが多く与えてしまうケースも)
「減らす」より「見守る」ことが継続のポイントです。
体重管理に取り組む中で、
「つい甘やかしてしまって…」 「自分がちゃんとできていない気がする…」
そんなふうに感じる飼い主さまもいらっしゃるかもしれません。
でも大丈夫。体重ケアは“できる・できない”の問題ではなく、“気づいて、向き合おうとする気持ち”こそが何より大切。
完璧じゃなくても、愛情をもって少しずつ見直すことが、ワンちゃんにとっての安心につながります。
「ちょっと太ったかも?」と気づけること、 「ごはんの量、合ってるかな?」と悩めること、
それ自体がもう、ワンちゃんへの深い愛情です。
体重は“コントロールするもの”ではなく、“愛をもって見守るもの”。
今日も一緒に、健康を見守っていきましょう。
