“シャンプーしすぎ”がトラブルを招く?
2025.11.27 BLOG
「毎週しっかり洗っているのに、かゆがるんです」──
そんなお声を聞くことがあります。 実はこの「熱心なケア」が、皮膚トラブルを引き起こしてしまっていることもあるのです。
ワンちゃんの皮膚は、人の皮膚の3分の1ほどの薄さ。
たとえば“ティッシュ1枚分の薄さ”と例えられるほど、とても繊細でデリケートです。
なので、人よりも角質層が薄く皮脂の分泌も少なめ。
そのため、洗いすぎは“守る力”まで洗い流してしまうことに繋がります。
皮膚表面には「皮脂膜」と呼ばれる天然のバリアがあり、これが外敵(細菌や真菌など)から体を守り、乾燥を防いでくれています。
また、皮膚には常在菌という“善玉菌”が存在し、健康な皮膚環境を保っています。
ところが、過度な洗浄はこの皮脂膜や常在菌のバランスを崩し、皮膚のバリア機能を低下させてしまうのです。
皮膚がむき出しの状態になれば、炎症・かゆみ・赤みといったトラブルが起きやすくなります。
では、適切なシャンプー頻度とはどのくらいでしょうか?
一般的には、健康な皮膚のワンちゃんであれば【月に1〜2回】が目安です。
ただし、皮膚トラブルの有無、犬種、季節やライフスタイルによっても適正頻度は変わります。
日常的なケアとしては、以下のようなバランスが大切です:
✅ ブラッシング:
抜け毛や汚れを落とし、血流促進も期待できます
✅ 保湿ケア:
シャンプー後は保湿スプレーやバームで潤いを補給
✅ 部分洗い:
足裏やお尻まわりなど汚れやすい部分だけを洗う日を設ける
「皮膚トラブルがあるから、たくさん洗わなきゃ」 そんな風に思ってしまうのは当然です。
でも本当に必要なのは“洗うこと”ではなく“守ること”。
やりすぎない勇気、立ち止まって見直す優しさも、大切なケアの一部です。
皮膚が本来持つ力を取り戻せるように、ケアの仕方そのものを整えていきましょう。
皮膚トラブルは「汚れているから起きる」わけではありません。
清潔にしようと頑張る気持ちが、逆に皮膚を弱らせてしまうこともあるのです。
「清潔=健康」ではなく、「バランス=健康」。
その視点を持つことで、ワンちゃんの皮膚はもっと穏やかに、強くなっていきます。
自然な皮膚力を育てるケア、今日から一緒に見直していきませんか?
小さなケアが、いちばん大きな安心につながります。
